WEBマガジン 企業変革への道

コンサルタントってどういう人?

コンサルタントって怪しいですよね。テレビのニュースで「自称経営コンサルタントの●●容疑者」という表現もよく見ますし、何を提供してくれるかわからない人ですし、謎の人種です。

コンサルタントの立場から考えると、この謎に思われることが致命的です。例えば、紹介も何もなくコンサルタントを使ったこともない会社への営業はメチャクチャ大変です。イメージがマイナスや警戒されているところからスタートなのです・・・。一度ですが「アム○ェイとは違いますよね」と言われたことまであります。

安心してコンサルタントに依頼してもらうため、コンサルタントってどういう人か、どう選べばいいかなどご紹介します。特に中小企業で商工会議所などの公共機関や税理士ぐらいしか相談相手がいない方、コンサルタントへ依頼することに慣れていない方、ご参考にしてください。

コンサルタントって色々な種類があります

最近、ただの営業マンでもコンサルタントと名乗る人がいます。謎な一方、格好いいイメージを持っている人がいたり、単なる営業より上位概念のイメージを持っている人がいるからですね。

コンサルタントには通常「○○コンサルタント」と前に何かが付きます。その○○が専門分野を表しています。

 

戦略コンサルタントは経営戦略の専門家、WebコンサルタントはWebの専門家、不動産コンサルタントは不動産の専門家です。専門分野を勝手に決めて勝手に名乗ればいいので、種類はたくさんあります。「恋愛コンサルタント」のように変わり種のコンサルタントもあります。

<様々なコンサルタント(例)>
戦略コンサルタント、Webコンサルタント、不動産コンサルタント、医療経営コンサルタント、人事コンサルタント、労務コンサルタント、マーケティングコンサルタント、ITコンサルタント、財務コンサルタント、知財コンサルタント、飲食店コンサルタント、恋愛コンサルタント・・・など

私は自分のことを「経営コンサルタント」と言うことがありますが、実はこの表現は好きではありません。大まかな一般カテゴリでは経営コンサルタントになるので、分かりやすさだけで表現しています。一般的にも普通は経営者へコンサルティングはあまりしません。自分の専門分野を活かした支援をするのがコンサルタントです。端的に言うと、経営をしたこともないただの戦略など一部業務の専門家が経営コンサルタントなんてなれるわけではないのです。

私は正確には企業変革コンサルタントですね。定義がない世界なので、自称となります。

コンサルタントって何する人?

コンサルタントとは、英英辞典での定義では「専門分野を活かしてアドバイスをする人」です。私の定義では、「自身の専門分野を活かし、顧客が自身の課題を明らかにし、解決をするよう導く人で、その結果利益をもたらす人」です。

課題を明らかにして解決するのは顧客自身です。例えば、コンサルタントは課題をリサーチしたりノウハウをフル活用して提示することはしますが、それを課題として咀嚼して自分のことと認識することが一番重要で、それは顧客自身でしかできません。あくまでも主体は顧客自身なのです。

では、なぜコンサルタントが必要かというと、①専門分野の圧倒的なノウハウを得る、②自社でリソースとして抱えられない業務を外部委託する、の2点が理由です。単なるノウハウやリソースではなく、業績を上げるなど課題を解決してくれるレベルのノウハウやリソースなのです。

コンサルタント嫌いな会社がありますが、それは自社で出来ているなら全く問題ありませんが、好き嫌いで決める話ではありません。専門分野のノウハウと成果を出すリソースを、自社で用意するか外から買うか、という話なのです。

なお、コンサルタントを上のように定義すると、ダメなコンサルタントが見えてきます。

頭が良くても、ノウハウがあっても、結果が出せないとコンサルタントとしては失格です。よく一流企業にいて引退してコンサルタントになる方がおられますが、外れ確率がものすごく高いです。ノウハウは持っています。ただその一流企業の環境では成果が出せても、違う環境では出せません。コンサルティングスキルにも専門性があるからです。

プロのコンサルタントってどういう人種?

少し昔のコンサルタントを書きます。ここ5年ぐらいはコンサルタントの質が変わってきています。昔は選ばれた職業でしたが、今は普通の職業になっています。それには良い面と悪い面がありますが、主題とは違いますので割愛します。では、戦略や企業変革が専門の中堅コンサルタント以上で優秀なコンサルタントについての説明とご理解ください。

【ものすごく貪欲に働く】

「論理的思考ができないのは恥」「問題が多い企業は宝の山」「徹底的に問題や原因や対策を考え抜いて美しい課題解決をする」「寝食を忘れて(忘れてなくても)目的を達成すること優先」といった働き方、考え方をしています。なので若いときは特に深夜まで働くのは普通です。私も短期間で徹底的に突き詰めるため、2時まで働いて飲みに行って次の日普通に仕事するとか、ホテルに泊まっても寝ずに仕事するとか、普通にやっていました。

元々優秀な人が、人の倍以上時間で、人の倍以上の集中力を発揮して働けば、短期間で専門性が高まります。逆にそれが出来ない人はドロップアウト(脱落)します。生き残った人は胆力もあるので、3年で10年分ぐらいは育ちます。だから30代前半が企業の役員と渡り合えるのです。

今これをやるとブラックですが、自分の成長と顧客の成果のために必死だったので、私はブラックと思ったことは一度もありません。

【短期集中で効率的に一気にノウハウを体系化して蓄積する】

コンサルタントの仕事の期間は、短期間で区切られることが多いです。課題ごとに契約することが多く、契約期間が数ヶ月~半年区切りが多くなります。その短期間が勝負なのです。

そのため、徹底的にその案件に没頭します。そして多くのコンサルティングファームには体系化されたノウハウやツールがあります。そのノウハウに上書きするようにノウハウを蓄積します。だから短期間でも何とかモノになるのです。

元々コンサルタントという職種は海外のもので、海外の方がノウハウや概念を体系化することが得意です。グローバルファームを中心に、特に日本ではなく海外でノウハウが体系化されています。

ちなみに調査や資料作りを専門にしている人がコンサルティングファームにはいます。例えば、IoTのセンサー市場を調査してまとめてくれたり、ホワイトボードを写真に撮ったらパワーポイントのキレイな絵にしてくれる人がいます。しかも夜に日本で依頼した作業を時差のある海外で対応して翌朝には仕上がってるぐらいのことまでします。こういったサポート体制も効率化にものすごく貢献しています。

なお、私はコンサルティング会社に所属してた頃、コンサルティング会社でありながら研修をやっていました。企業変革力向上が私の使命でしたので、顧客自身でも変革するための実践的な研修です。研修にはテキストが必要なので、一般的なコンサルタントよりもノウハウを体系化する必要がありました。その時代から数千ページのテキストを作っています。

コンサルタントを選ぶ5つの基準

コンサルタントの種類が多いこともあり、一概に適切なコンサルタントっていうのは難しいのですが、一つの視点としての選ぶ基準をご紹介します。

①専門分野が明確で、理論と実践結果を持っているか

「なんでもできます」は何も出来ないのと同じです。明確に自分の強みがあり、それを活かしてできる範囲が明確な人がいいです。また、コンサルティングを依頼する内容に関して「理論を持っておりその領域で結果を出しているか」は重要です。言い方を変えると「口だけではない人」でなくてはダメです。コンサルティング内容を聞いたときに、すぐ解決策を言うようなタイプより体系立った進め方を提示するコンサルタントの方が優秀な場合が多いです。

②顧客企業を変えるノウハウを持っているか

専門分野があっても、自社の変革に貢献してくれないと意味がありません。顧客の巻き込み方、動かし方、結果の確認の仕方など、変革するための泥臭いことに関して経験やノウハウ、実践理論がある人が望ましいです。例えば「ウチはいつも解決策までは出すのですが、現場が動いてくれません。2ヶ月経ったら元に戻りますが、どう防げばいいでしょうか」といった質問をして、具体的な質問や方法が来るか確認しましょう。

③プロフェッショナル意識が高いか

これは確認が難しいのですが、プロとして結果を出すためにノウハウを総動員してあの手この手を尽くすか、顧客に言うべきことを言うか/言わなくてもいいことを言わないか、結果が出ないのを顧客だけのせいにしないか、など様々な判断ポイントがあります。「契約にないから」「言ったけどやってくれないから」「こちらは最高の提案をしているが・・・」というタイプは止めた方が良く、優秀そうに見えても結果を出せないです。

④相手を動かすコミュニケーションができるか

例えば、人によってコミュニケーションスタイルを変えることができる、プロジェクトの進め方の設計と進捗管理ができる、タスクと担当者と期日を毎回必ず決める、経営者から現場の作業者までのことを考えられる、動かしたい人の動かし方の仮説を持っている、といった人に頼むと変革できる確率は圧倒的に高くなります。具体的には例えば「全社を同じ方向に一気に動かすのは社長、現場担当者を確実に動かすのは課長」といったような考え方を実践から身につけている人です。

⑤自分のコンテンツを持っているか

コンテンツ(ブログ、本、テキストなど)を持っていない人は、ノウハウを体系化できていない可能性が高いです。特にオンラインでコンサルティングを受ける時は、体系化されていないとコミュニケーションがうまく進みません。何かやっている人かどうかは確認した方がいいです。

まとめ

コンサルタントは専門分野のプロフェッショナルです。うまく使えば短期間で成果が出ます。なので見極め、活用する方向で考えてもいいと思います。

辰巳工業も様々なコンサルタントに協力してもらい、生き残り、成長しました。

コンサルタントに依頼するのが怖い方、プロのコンサルタントを見つければいいです。失敗しても探して最終的に見つけたら勝ちです。

コンサルタント嫌いの方、出会った人が悪かったのでしょう。本当のプロと業績を上げるパートナーとして付き合えれば変わるかもしれません。

これからコンサルタントに依頼しようとしている方、大したことないコンサルタントはいっぱいいます。実績なんてでっち上げることができます。その人の姿勢やモチベーションを見てください。

私が一番問題意識を持っていることは「中小企業こそ必要なのに、本当のプロに依頼出来ない」という状況です。自社で抱えられない機能をコンサルタントに依頼して補えていません。コンサルタントを知らない、費用が高額、といった理由と推察します。

高品質でありながら低価格のサービスが出てきていますので、色々調べてはいかがでしょうか。中小企業は成長が至上命題なので、コンサルタントを活用しない手はないと思います。

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